『この大空に、翼をひろげて』体験版公式レビュー


『この大空に、翼をひろげて』「Trial-edition」レビューコンテスト 2012.springに多数のご応募ありがとうございました。
頂いたレビューの中からいくつかを抜粋して再構成させていただき、公式レビューを作成いたしました。

気になっているけれど、体験版のサイズが大きいのでどんな内容か先に知りたいという方や、
一度プレイしたけれど、もう一度追体験をしたいという方など、体験版の雰囲気がわかりやすくまとまっていると思いますので、是非ご覧ください。

なお、『この大空に、翼をひろげて』体験版のネタバレを一部含んでおりますのでご注意ください。

▼はじめに

今作『この大空に、翼をひろげて』はグライダーにかける少年少女の物語ということで、率直な印象としては「夢に詰まっているなぁ」というものでした。

グライダーから滑走路まで自分たちで作り上げていく過程。大空を翔る爽快感。グライダーから眺める景色。忘れてしまった何かを思い出させてくれそうな題材だと思いました。


「体験版でこんなにプレイできちゃっていいのっ!?」というビックリするほどの大ボリュームでしたが、安定して読みやすく、評判通りなかなかの良作そうで、期待が高まりました。

1.4GB超の体験版は伊達じゃなかった……。
全部の音声をきちんときけば、6時間くらいかなと思います。

でもそのおかげで作品の面白さをたーーーっぷりと堪能できました
特に、体験版後半にかけての盛り上がり方が半端なく面白くて、テンション上がりっぱなしでした。
最後までこのワクワク感溢れる展開が続いてくれると良いなぁ~。
今回のシナリオにはすごく期待しちゃいます!

▼感想


全体の雰囲気は、コミカルで明るく楽しい学園生活がテンポ良く展開されていきます。ただし、シリアスな場面も差し挟まれ、物語の軸はシリアスな方を中心にして動きそう。気になるのはバランスですが、目下どちらが浮いちゃうこともなく、メリハリがついていて悪くないと思います。


シナリオは、非常に練られていると思います。
心理描写もそうですが、何より序盤をきっちりキャラの登場と割り切った上で展開させ、中盤以降、そのキャラクターたち、すなわち主人公、小鳥、あげはを天音とソアリング部という一つの輪の中に合流させ、後はグライダー制作と目標のもとに前へ進ませていく。
ここへ向かう流れが非常に秀逸で、知らず知らずのうちに、話に引き込まれてしまいました。

特に終盤のフライトシーンでは、演出もあいまって緊張感があり、手に汗を握ってしまいました。

あと、丁寧にキャラを描いていながら、テンポがかなり良い。正直やめどころを見失っていました。不必要なイベントが余り無いんですよね。ボリューム確保のためのひきのばし工作みたいなイベントも無く、情報密度が高い。この後も同様であれば、非常に楽しみです。

最後はなかなかインパクトのある劇的な幕切れと、これから先を楽しみにさせる力強いメッセージで締めくくられています。かなり期待が高まる!

なにより、一番印象的だったのは、シナリオの「青春してる感」。


皆でグライダーを飛ばすために一生懸命になって。
寮で合宿して、海に行って、パーティーやって、紙飛行機飛ばして、花火をする。

良いじゃないッスか!青春!
見ていて気持ちが良い。

○気になったところ

序盤から思わせぶりに謎を配置しすぎるきらいがあり、緊張感が分散してしまっています。謎がどんどん新しく出てくるため、ストーリーに関心を絞りきれない。

ソアリング部の目標という大目標に向かって進むという芯はズレないものの、小出しにされる伏線が多すぎて、段々意識が薄れていく可能性が……。
寮の行く末と、飛岡先生の態度。2つの伏線が気になっています。特に飛岡先生は不自然なくらいイヤな奴になっているので、実はこの人がソアリング部OBでした、くらいの仕込みはあるのかな。

▼システム・操作性

割と細かい部分まで設定できる親切設計。直観的に調整しやすいのが素晴らしい。初心者でも戸惑うことは殆ど無いでしょう。

コンフィグもかゆいトコロに手が届くような多機能なものとなっていて、快適なゲーム環境が約束されていました。

最近ちょこちょこ見始めるようになったマウスジェスチャーの導入は○


○気になる点

音声再生中にバックログを見ると、音声が一時停止される点は、できれば再生が継続されるように改善してほしいです。

また、バックログから戻るとき、マウスホイールだと下までガーっとスクロールしないといけないのはちょっと面倒だと感じました。
右クリックでも対応できますが、マウスホイールでも快適に操作できればより良くなると思います。

フォントの変更がないのは少し残念でした。

「シーンスキップ」や「前の選択肢に戻る」が無いのは残念。後で日常シーンを見たくなったときやレビューを書く際などには非常に便利な機能なので。

▼概要

ソアリング部は本当に目の付け所が非常に良く、オリジナリティ―に溢れた作品となりそうなのでが、題材の敷居が非常に高いだけに、生かすも殺すもライターさん次第になりそうです。期待しております。

「ものづくり」をするエロゲってのはなかなか無いので、
ヒロイン達とのグライダー製作の日々が特に印象的でした。


ソアリング部が物語の中心舞台となるのですが、当然ながらソアリング関連の専門用語がたくさん登場します。揚力、ローリング、ピッチング、エルロン、サーマルなどなど。日頃の生活ではお目にかかれないような単語が多々登場します。

しかし、全くの初心者でも理解ができるように画面効果を交えた解説・描写があるので、分かり易いのと同時に大変興味を引かれました。専門的な分野を扱うには相当量の知識がないと成り立たないと思うのですが、今作は知識・見識に裏打ちされていて、真摯に題材と向き合っているのではないかと思いました。


あげはちゃんみたいな美少女が「FRP」とかいう単語を出すだけでテンションが上がりますね。あげはちゃんとものづくりがしたくなりました。

皆で作ったグライダーが初めて飛ぶシーンは鳥肌モノでした。
あの場面の盛り上がりは凄いの一言です。
苦労して作った物が成果を上げる瞬間……、そりゃ感動しないわけがありません。


やっていていい爽快感を得ることも出来ました。
ただ、悪いことではないんですがエロゲというよりラノベを読んでいる気分でした。
というのも雰囲気が普段プレイしてる萌エロとは全く違うっていう理由なのですけど。

▼演出

音楽、音声はどちらも良い感じ。エフェクトも気合い入っています。雰囲気を壊すような要素はありませんでした。むしろ概ねプラス要素と考えて問題ないかと。演出に関してはそこまでど派手ではないものの、凝ってるな、という感じ。特に、キャラクターの視点の動きが視覚的にわかるよう、丁寧な工夫がしてあって良かった。


また、ここぞというシーンにこまめに差し挟まれるちょっとしたムービーは雰囲気を盛り上げてくれています。


アニメーションというか、演出は「なんか頑張りすぎじゃない?」ってくらい気合い入っていて良い感じです
グライダーに乗っているシーンなどではムービーが入り、臨場感のある演出が施されています。その分、動作が少し重く感じるのは致し方ないところでしょうか。

サウンド・ムービーに関してですが、BGMはとにかく心地良くて気持ちよくプレイできますし、今のところ文句の付けようがないくらい好感触な出来ですね。グライダーに乗るシーンのBGMが凄く良かったです。しかもドンピシャのタイミングで挿入歌が入るので、プレイ時は本当に鳥肌が立ちました。

OP曲・テーマ曲の歌い手は霜月はるかさん。大空へ飛び立つような爽快感ある楽曲となっていました。また、OPムービーに限らず、画面効果としてムービーが劇中でところどころ見られるのも良かったです。

▼グラフィック


まず目に行くのは美麗な背景の数々。近未来的な学園や風車、少しレトロな学生寮に見渡しの良い丘など、新旧の風景がうまく溶け合った世界となっています。将来はこういう所に住んでみたいなぁと夢見てしまいそうです。

メイン舞台となる学園や周辺の土地は近未来的な装いをしつつ、しかしどこかのどかさを感じるようになっており、落ち着いた気持ちでプレイをすることができました。

牧歌的な要素を感じたのはおそらく最初の風力発電の背景でしょうか、 緑が広大に広がる背景は癒されますね。


もちろん、背景だけでなく、ヒロインたちの可愛さも際立っていました。
原画は八島タカヒロさんと基井あゆむさん。『恋神』でもご一緒であったお二人です。『恋神』はファンタジーよりの作品でしたので彩色等が随分と変わったように印象を受けましたが、目や輪郭の描き方などは変わりないように感じました。

八島さんのキャラは大人びた感じと可愛いさが共存していて、基井さんのキャラはプニッとした愛らしい可愛らしさがありました。

▼キャラ

この作品はキャラで押していくというよりはグライダーを中心にして物語が進んでいくので、キャラ自身にはそこまでの派手さはありませんでした。天音さんみたいに特異なキャラは居ますけどね(笑)ですが、どのキャラも何かを抱えていたりするような素振りを見せていたので、その辺りが個別ルートで明かされるのかなと思いました。


描写が多いのは圧倒的に小鳥ですが、魅力的で奥行きを感じさせたのは、「いい女」ことあげは。誰よりも気配りができて、他人の痛みに敏感で、それゆえに一歩引いてしまう健気な感じがにじみ出ています。 小鳥と天音はキャラが固まってる感じがして、あとは彼女たちをとりまく外側の環境次第で印象が確定されるのを待つしかないでしょうか。特に天音は外的状況にひっぱられている様子が非常に強いので、今後の展開待ち。

○碧

主人公がとても好印象でした。
碧くんは、必要以上に落ち込んだり自虐的になったりせず、深刻にうけとめつつも前向きに生きる、という好青年。登場人物たちは前向きさや芯の強さを発揮して、爽やかな雰囲気を損なわずにいると思われました。
この主人公となら友達になりたいと思える、なかなかレアな良主人公だと思いますw

○小鳥


自称くーるびゅーちーの小鳥は、意外と感情豊かで見ていて非常に面白いヒロインでした。


車椅子を使う女の子がヒロインって新鮮……というと、色々なところから怒られそうですが、とにかくどう動くか気になっていたのですが、これが非常に上手かったです。

初めのうちは足にコンプレックスを持ってるせいか人をあまり寄せ付けようとせず、ネガティブなくーるびゅーちーさんですが、ソア部に入部してからは一転して明るく前向きな性格になります。

○あげは


幼なじみ枠で天音先輩に次ぐおっぱい。ソア部工作担当。
幼馴染のあげはは、明るく気配り上手で、場の盛り上げてくれたように思います。


出会ったときから、主人公を目ざとく見つけて構ってくれるし、主人公が隠していることを半分くらい知りながらも黙って付き合ってくれるし。

キャラデザ的にもうちょっと可憐な感じかと思ってましたが大分悪友寄りでした。

○天音


今作最強のおっぱいの持ち主。
超先輩の天音さんは、一見クールっぽいのに(最初見たときはそういう印象を抱きました)、中身は結構ぽわぽわで、今までに感じたことのない魅力のあるヒロインでした。


少し天然なお姉さんですが、それが逆に可愛かったり、でも考え事をしている時はきりっとしてて恰好良かったりともう二度おいしいとか、そういう良ヒロインですよ!!

おっぱいおっきいですし、抱きつかれたら凄く柔らかそう。

○双子


双子ちゃんの亜紗と依瑠は体験版ではあまり出番が無かったので、体験版以降ではどのように絡んでくるのかに期待です。私個人としては、とてもお気に入りの二人です。


姉は純粋無垢な良い子ちゃんで妹がニヒリストなようで、妹の方はなぜかグライダーに関する知識があるようで。

○佳奈子&ほたる


佳奈子さん、こんな人が近くにいたらきっと楽しいだろうなあ、と。
佳奈子さんは、どうしてこんなに素敵な先輩が攻略キャラではないのかっ!
佳奈子先輩と攻略出来ないのが悔やまれます
佳奈子さんが攻略キャラではないのがきついですね……。
佳奈子がエロ可愛いんだけど、ヒロイン昇格告知はまだですかね?
佳奈子さんとなんとかして添い遂げられないものか……。
佳奈子さんはメインじゃない……だと……
佳奈子先輩……佳奈子先輩は何故攻略対象じゃないんだ……っ!
残念なのは、佳奈子先輩とほたるがサブキャラなことか……。
佳奈子やほたるなど魅力的なサブキャラもいるのでぜひFD等でほかのヒロインとの話も作ってほしいです
ほたると佳奈子のルートがあったらなぁ……なんて思ってます
サブヒロインの佳奈子やほたるなども好みです。
ぜひほたると佳奈子ルートを……!!
ほたるちゃん、佳奈子さんがお気に入りです。

ほたるが攻略できるなら発売日に即買いします。
……ところでほたるは攻略できないのでしょうか……、期待してます!
「ほたる」が好みなので攻略できたらいいなぁと思います。
ほたるちゃん俺の義妹。
いて欠点をあげるならあげはの妹のほたるが出てくるたびに物語なんてどうでもいいからほたるを攻略させろ!と思ってしまうことです。
ほたる、こんな妹が欲しかった的な。あげはとダブルでジト目で見つめられたしたらもう。
姫城ほたる、あげはの妹。こんなにかわいいのになんでヒロインじゃないの!?ねえ!?ねえ!?!?!?!?!??!
おい、ほたるちゃんが攻略キャラじゃないってどういうことですかっ!!!!!!!
ほたるルートはFDに期待ということでいいんですんよね!
ほたるちゃんがかわえぇ……
ほたるちゃん可愛くて泣きそうになった。この子とは密着するほどお近づきになれないの?

以上、レビュー参加者の方々の魂の叫びです。
……検討します。
※こちらのレビューは、レビューコンテストに参加された方々のレビューをもとに、再構成させていただいたものです。なお、文体などは統一するために調整させていただいています。今回引用させていただいたレビューですが、ブログをお持ちの方々のレビューについては、以下のアドレスより各参加者様のサイトにてご覧になれます。

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